× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
なんか手が…あったかい…
誰の手かな… うっすらと目を開けると白い天井が目に入った。 身体は清潔な服と布団に包まれ、頬以外は痛みを感じない。 ス…と顔を動かせばボサボサ頭がベッドにぽすんと埋まっていた。 手はしっかりとかなめの手を掴んでいる。 顔は見えない。 「…そーすけ」 寝てるの?と小さく呼んだ。 答えない彼からは特に寝息も聞こえない。 まさか…また忘れちゃったの? ねぇそーすけ…名前呼んでよ。 こっち向いてよ。 いつもみたいに問題ないって言ってよ。 自然と唇が震える。 涙が出そうだった。 もぞり… そーすけが動いた。 まるでベッドに顎をかけ、飼い主を見ている大型犬のように心配そうに此方を見ている。 目が赤い。 「泣いてるの…?」 視線が泳ぐ。 「…肯定だ」 布団にまた顔を埋めてかすれた声でそーすけは呟いた。 「ばか。泣きたいのはこっちだっつうの。」 手を繋いだまま身体を曲げて宗介の顔の前にいってやった。 「…すまない」 「…ばか…」 「…すまない」 「…そーすけのばか…」 「…すまない」 「すまないばっかり…」 「すまな…む…いや…」 「そーすけ」 「なんだ」 「名前呼んでよ」 「…かなめ」 「もっと」 「かなめ」 「うん」 「かな…め」 「…うん」 「すきだ。」 「うん…」 「かなめ…すまなかった」 「うん」 顔を寄せおでこと鼻をくっつけて 宗介とかなめは泣きながらお互いを確認する。 「痛くはないか?」 「うん…あ…ほっぺた痛いかも。」 「殴られたのか」 「うーんよくわかんない。押し倒されたとき頭打って痛くてそれどころじゃなかった」 「そうか…」 「そーすけ、手痛いよ。力抜いて」 「す…すまない」 「ほっぺた跡残るかな」 「いや。暫くしたら消えるだろう。医療班もそう言っていた。」 「そっか…」 少し微笑んで呟いた。 そして少し目線を伏せ おでこをスリ寄せた。 「ね…あたしね、服破られたり、押し倒されたけど…大丈夫なんだって」 「…」 「ちょっと触られたけど、覚えてる範囲では表面だけだし」 かなめは笑っている。だが楽しい訳じゃないのは宗介にも解った。 「表面…だけ…?」 「だから…ね」 「…」 「汚れてない…よね…」 「!」 「あた…し…汚れ…てなんか…ないよ…ね…?」 肩を震わせて必死に縋るように見る瞳から綺麗な液体が溢れた。 続く PR |
![]() |
![]() |
|
![]() |
トラックバックURL
|
![]() |