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【2025/07/20 19:35 】 |
すれ違い13
なんか手が…あったかい…
誰の手かな…

うっすらと目を開けると白い天井が目に入った。
身体は清潔な服と布団に包まれ、頬以外は痛みを感じない。

ス…と顔を動かせばボサボサ頭がベッドにぽすんと埋まっていた。

手はしっかりとかなめの手を掴んでいる。
顔は見えない。

「…そーすけ」
寝てるの?と小さく呼んだ。
答えない彼からは特に寝息も聞こえない。

まさか…また忘れちゃったの?
ねぇそーすけ…名前呼んでよ。
こっち向いてよ。
いつもみたいに問題ないって言ってよ。

自然と唇が震える。
涙が出そうだった。

もぞり…
そーすけが動いた。
まるでベッドに顎をかけ、飼い主を見ている大型犬のように心配そうに此方を見ている。
目が赤い。

「泣いてるの…?」
視線が泳ぐ。
「…肯定だ」
布団にまた顔を埋めてかすれた声でそーすけは呟いた。

「ばか。泣きたいのはこっちだっつうの。」

手を繋いだまま身体を曲げて宗介の顔の前にいってやった。

「…すまない」
「…ばか…」
「…すまない」
「…そーすけのばか…」
「…すまない」
「すまないばっかり…」
「すまな…む…いや…」
「そーすけ」
「なんだ」
「名前呼んでよ」
「…かなめ」
「もっと」
「かなめ」
「うん」
「かな…め」
「…うん」
「すきだ。」
「うん…」
「かなめ…すまなかった」
「うん」
顔を寄せおでこと鼻をくっつけて
宗介とかなめは泣きながらお互いを確認する。

「痛くはないか?」
「うん…あ…ほっぺた痛いかも。」
「殴られたのか」
「うーんよくわかんない。押し倒されたとき頭打って痛くてそれどころじゃなかった」
「そうか…」
「そーすけ、手痛いよ。力抜いて」
「す…すまない」
「ほっぺた跡残るかな」
「いや。暫くしたら消えるだろう。医療班もそう言っていた。」
「そっか…」
少し微笑んで呟いた。
そして少し目線を伏せ
おでこをスリ寄せた。
「ね…あたしね、服破られたり、押し倒されたけど…大丈夫なんだって」
「…」
「ちょっと触られたけど、覚えてる範囲では表面だけだし」
かなめは笑っている。だが楽しい訳じゃないのは宗介にも解った。
「表面…だけ…?」
「だから…ね」
「…」
「汚れてない…よね…」
「!」
「あた…し…汚れ…てなんか…ないよ…ね…?」

肩を震わせて必死に縋るように見る瞳から綺麗な液体が溢れた。



続く
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【2011/05/20 08:06 】 | フルメタ宗かな | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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