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振り返るとドアの所に顔を真っ赤にしたかなめが仁王立ちしていた。
まずい…かなり怒っている… 全身から汗が噴き出しだらだらと滝のように流れる。 ずんずんと歩いてくるかなめに宗介は何も言えずただ立ち尽くしている。 『?』 宗介の声が聞こえなくなったが変わりになにか異様な緊張感が電話から漂う。 (なんなんだ?ちどりって言ってたよな?) 耳を澄ませ電話から聞こえる音を拾う。 「そーすけ。あんたさっき皆の前でなんて言おうとしたのよ」 下を向いたかなめの堅い声が聞こえる。 「それは…なんでもない。気にしないでくれ」 辛そうな宗介の声。 「いや。言わないと許さない」 ゆっくり一歩ずつ宗介に近づく。 「千鳥…」 後ろは柵。宗介は後ろには下がれない。 「だいたい…なんで解らないのよ!」 とうとう追い詰められ、胸ぐらを捕まれた。 「千鳥…」 「あんた女心ぐらい早く解るようになりなさいよ!」 ガクガクと揺さぶりながらかなめが叫ぶ。 「すまない…千鳥…」 「違うでしょ!!千鳥じゃ許さないって書いてあったでしょ!!」 声が…肩が震えてる。 「ちど…」 「そーすけのばか!!なんで2人っきりの時に言おうって思わないのよ!」 勢い良く顔を上げたかなめの目から涙が溢れた。 頬がほんのり桃色に染まり、拗ねて軽く突き出した唇は涙で濡れている。 縋るような目をしたかなめに宗介の中で何かが弾けた。 「かなめ!!」 全力でかなめを抱きしめる。 頬に手を当て腰を強く抱き唇を奪う。 昨日の夜の彼女が瞼の裏に鮮明に蘇る。 深く深く口付けて彼女の口内を堪能する。 出来ることならこのまま… 下腹部に熱が集まる。だめだ。 俺はまた彼女を傷付ける!! 「…そーすけ?」 いきなり抱き寄せられそのまま受け入れていたのに 宗介は急に止めてしまった。 「す…すまない…つい…」 かなめを壊れ物でも扱うようにゆっくり座らせると顔を背けて苦しそうに呟く。 「俺にはそんな資格などなかったのに…」 今にも壊れてしまいそうな宗介の姿にかなめは胸を突かれた。 違うのに…そうじゃないのに恥ずかしくてちゃんと伝えられない。 「そーすけ…」 「俺はまた君を傷付けた…」 屋上の建物に寄りかかり泣きそうな顔で宗介は呟いた。 もう見てられなかった。 *またまた続く 終わらない(;´д`)もう少しお付き合い下さい。 PR |
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