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【2025/07/19 17:12 】 |
キャンプ☆15
盛り上がる仲間を後目に
宗介は輪の中に帰ってこないかなめの方を見た。

なんだか弱々しくて
すぐにでも側に寄りたい
だがマテをされている状況でそれを無視していいのか
悩んでいると耳に聞き慣れた電子音が流れた。

少し電話してくると輪を離れ
入り口の方へと足を向けた。


『相良軍曹―本部より通信です。』
「繋いでくれ。」

耳に装着した小型通信機に触れると待機中の仮機体と接続しているアルの声が聞こえた。

この状況で通信が入るとは…
何かあったのだろうかと少し身構える。

『―サガラか。』
「は。どうしました大尉。」

通信してきたのはクルーゾーだった。

『ちょっと面倒なことになった』
「と、いいますと?」

『…マオはいるか』
「は?」
『マオとクルツだな。明日朝一で戻らせろ』
「撤収は明日の夕方のはずでは」
『サガラは予定通りそのままエンジェルと友人を送り届けろ。クルツとマオは朝一だ。わかったな』
「はぁ。」
『まったく…私では手に負えん』

深いため息をつくクルーゾーが容易に想像できる宗介はなんとなく頬を掻いた。


結局内容は教えてもらえず
とりあえずマオとクルツに用件を伝えると二人は苦笑してわかったと頷いた。


かなめはまだ膝を抱えている。

どうしたもんかとオロオロしていると
見かねた稲葉がさっさと行けと背中を叩いた。

稲葉いわく
「あれは来てくれるの待ってるわよ。ぜぇーったいね!」
らしい。
女ってそんなもんなのよ!と稲葉は笑い常盤も早く早くと背中を押した。

温かいコーヒーを一杯もらいそっとかなめに近づいた。


「千鳥。コーヒーを飲むか?」

--ビクッ

肩が揺れる。

「どうした?」

かなめの正面に腰を下ろし伺うが顔をあげる気配がない。

どうしたものかと宗介は--ふぅ。と軽くため息をついた。

「…面倒だなって思ったでしょ」「なに?」

やっと聞けた千鳥の声は
小さくて掠れていた。

「ため息。」
「さっきのか」
「…面倒だなって思ったでしょ」

繰り返し紡がれる言葉

「わがままで偉そうであたしテッサみたいに素直じゃない」

顔を伏せたままかなめは小さな声で呟いた。

「いつも早とちりしてそーすけ困らせて」

だから
あたしのこと
面倒だなって思ったでしょ

最後は聞き取れるかどうかというほどの小ささで。

千鳥は静かに泣いているようだった。


続く
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【2012/06/01 02:05 】 | フルメタ宗かな | 有り難いご意見(0)
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