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「一応言っとくけどソースケの申請は正しいのよ」
マオは少し困ったような顔でかなめの頭を撫でた。 宗介は観念したのか仲間達と少し離れた場所でトランプを始めた。 クルツが大富豪のやり方を説明している。 「例え囁きが聞こえなくてもその刻まれた知識をねらう輩は多いわ」 「…ん」 「だからはじめ殆ど全員が反対した。勿論テッサもあたしもクルツもね。」 「…」 「だんだん会社が安定して技術も戻りつつあるけどまだ昔ほどミスリルは力はないわ」 「やっぱり…わがままだったんだ」 なんとなくマオが言いたい事を察したかなめは膝を抱えて頭を伏せた。 そんなかなめの頭を撫でながらマオは続けた。 「でもねソースケが」 「ソースケ?」 少し顔を上げて下からマオをみるかなめ ちくしょう上目遣いとかかわいすぎるじゃないのよ と内心撫でくり回したくなりつつ頭を撫でる事で我慢しつつ先を続けた。 「ソースケがね。たまにはカナメにも前のように過ごせる日をやりたいって」 「!」 「俺が守るから行かせてほしいって頭を下げたのよ」 「そーすけ…が」 吃驚したように目を大きく開きマオを見つめるかなめ 「だからテッサが折れたのよ。その代わりにこの警備つけるっていう条件付きで」 「…」 「さっきの副社長の話は半分は嘘よ。怒ってるのは警備過剰ではなくその警備と引き換えに本部が手薄になるからよ」 「そっか…」 「まぁなんだかんだであのジジイ。テッサが心配なのよ。テッサもねらわれない保証はないからね。だから機体は回収で明日撤収よ」 だいたいここはミスリルの土地なんだからソースケとソースケの仮機体だけで十分よ と笑うとマオはビールを一気に流し込んだ。 「そんな顔しないの。だからソースケは言わなかったのよ」 「ん…ごめん…ね」 また顔を伏せたかなめに肩をすくめ、頭を一撫でするとマオは皆の方へ戻ってしまった。 わがままだなぁあたし 伏せたままため息をつくかなめはテッサの事を思うと申し訳なくて胸が痛んだ。 テッサだって こうやって遊びたいのに 彼女は結局一番の責任者だから あたしみたいにわがまま言いたくても言えないのに なんだか恥ずかしくて 自分が情けなくて 涙が出そうだった。 続く PR |
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