× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
雪が降り積もる機体から何とか這いずって出てきた。
全ての感覚がどんどん奪われていく。 白い地面に広がっていくスカーレット。 吐く息は薄く短い。 辛うじて動く手で胸ポケットから藍色の宝石の付いたペンダントを取り出した。 『ちゃっちゃと終わらせて、ちゃっちゃと帰ってきなさいよ!!』 『きにゃさいよ!!』 『わふっ!』 霞む目は目の前の機体など見ていなかった。 浮かぶのは最愛の家族と最後に交わした言葉。 必ず帰ると 約束したのにな… 彼女は怒るだろう。 きっと泣いてしまう。 娘は泣くのを我慢してしまうだろう。 あの子は彼女に似て優しく思いやりのある子だ。 母が泣いていたらきっと自分は泣くまいと耐えてしまうだろう。 すまない。 後は頼んだぞ ぶんだ。 「…か…なめ…」 降り注ぐ雪 空には愛しい彼女の姿が見える。 「あい…して…い…」 「で…?」 「いや…その…」 「痛いんだけど…頭。」 「すまない…」 「いいから退きなさいよ。重たいのよ!」 起きたら目の前に彼女が居た。 そのまま飛びかかり抱きすくめ押し倒した。 その時に頭を打ったらしくバタバタと彼女は暴れた。 だから話した。 今夢で見たことを。 離せと言われても離せなかった。 これが夢なのではないか? 死ぬ前に見ている幻覚なのではないか? 俺が強く望んだから彼女が見えたのではないか? 離したら… 消えてしまったら… そう思うと離せなかった。 「そーすけ?泣いてるの?」 「…?」 「仕方ないわね。もぅ…」 俺は泣いていた 俺は死ぬのは怖くない。 だが俺は彼女を失うのは怖い。 俺はいつからこんなに弱くなったのだろう。 俺の頭を撫でる彼女はいつの間にか優しく微笑んでいた。 「娘かぁ。」 「あぁ。」 「夢だよ。」 「あぁ。」 「大丈夫。」 「…あぁ。」 「大丈夫。」 涙が溢れた。 夢で 良かった。 俺は心からそう思った。 もっと 強くなりたい。 彼女と共に生きる為に。 夢を夢で終わらせるために。 END * ちゅ…中途半端(;´д`) シリアス難しい! シリアス難しい!(二回目) PR |
![]() |
| ホーム |
|