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いつもそうだ。
宗介は限界にならないとあたしには教えてくれない。 傷だらけであたしを守っても、その傷を隠して隠して何にも無かった事にする。 あたしにはもう囁きは聞こえないけど、ソフィアとリンクしていた間に莫大な情報を脳に刻まれてしまった。 だからあたしは実はまだ狙われてる。 今日もキャンプがしたいと我が儘を言って来た。 宗介はずっと反対していて、だんだんあたしと口喧嘩になっちゃってたけど、恭子が 「相良君が居てくれれば何も怖いものなんか無いよ~それに相良君強いお友達沢山居るんでしょ!じゃぁ大丈夫じゃん!」 と言ったのを家の盗聴器で聞いていた第2ミスリルの皆が行かせてやれと説得してくれたかららしい。 女の子にあれだけ言わせてやらなきゃ男がすたるってもんだとクルツくんが笑っていて、宗介がため息をついたのを覚えている。 そういった経緯でこの辺り一帯にはM9やM6が配置され第2ミスリルの皆が守ってくれてる。 「そーすけのばか」 「千鳥…」 くるっと後ろを向いて彼の肩に身を預けた。 頬に当たる彼の首筋から 暖かい体温を感じる。 心配なら心配って言ってくれなきゃ解らない。 宗介はいつも欲しい言葉なんかくれなかった。 いつの間にか目には涙か溜まっていて、少しかすれた声が出た。 「なんでいつも…そうなのよ」 「…」 まだ生々しい傷口にそっと指で触れる。 「-ッ!」 ビクッと宗介の身体が跳ねた。 「痛いよね…ごめんね…いつも」 「…問題…ない…」 宗介の声が少し揺れてる。 あたしの為に 傷ついてしまう それがこんなに辛いなんて… 傷口を撫でながら 宗介の首筋に頬をすり寄せた。 「いつも…ありがとう。そーすけ」 「-ッ…ちど…り」 何かを耐えるような声色にハッとなったあたしは パッとそーすけから離れた。 「ご…ごめん!触ったら痛いって言ってたのに…」 「…」 離れてみた宗介は肩で息をしていた。 やだ…どうしよう… さっきより痛そう… 普段どれほど動き回っても息を切らさないのに… 「そーすけ…大丈夫?今飲み物取ってくるから待ってて!」 そんな彼を見ていられなくて 居ても経っても居られなくなったあたしは急いで荷物まで戻った。 宗介が何か言おうとしていたけど、それどころじゃなかった。 つづく PR |
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