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一人大人しくなった宗介を後目に他の4人はさっさと残りを平らげてしまった。
「うーん…少なすぎたかな?」 「カナメさん、後片付けは私がやりますからもう少し休んでください。」 苦笑いしながら後片付けをしているかなめにテッサが話しかけた。 「食堂で洗ってきますね」 「いいわよテッサ~家でやるわ」 「いえ!ご馳走になったんですもの!それくらいさせて下さい。」 にっこりと笑うと一緒に食べていた部下を引き連れ部屋から出ていった。 「…なんか…急に静かね~」 ポツリと呟いたかなめはテッサの言葉に甘えてもぞもぞとベッドへ潜り込んだ。 「かなめ」 ベッドわきに椅子を置き、それに座った宗介は戸惑いながら彼女をよんだ。 「なぁに?」 かなめは真っ直ぐ宗介と向き合う。 だが宗介はかなめを見ることが出来なかった。 「かなめ…」 「ん?」 「すまなかった…」 絞り出された謝罪の言葉 「俺は…」 「ねえそーすけ」 なおも続ける言葉をかなめが遮る。 「どうして…忘れちゃった?」 「--ッ」 真っ直ぐ宗介と向かい合うかなめに宗介は目を合わせることが出来ない。 「…あたし…もう…忘れるくらいの…存在?」 「違う!!」 「じゃぁ…どう…して?」 かなめの目から涙が零れた。 耐えていた涙は零れ始めたら止まらなかった。 「君を…失ったかと…思った。」 「え…?」 「本当は解っていた。君は真面目だから、優しいから、だから仕事に行ったのだと。」 「…うん…」 宗介が順を追って説明を始めたのだとかなめは理解した。 涙を拭いて言葉を待つ。 「君が居なくなった後クルツから仕事の電話が来た。街に侵入者が入ったからと…だから仕事に行った。」 「うん。」 「ただの廃ビルで、いつも通りに部屋を確認、ただそれだけだった…だが…」 言葉が切れた。少し俯いた顔色が悪い。 「うん。」 「最後の部屋に君が…」 「え…?」 「君…が…倒れていて…」 言葉が途切れ途切れになる。 「そーすけ?」 「抱き上げた…抱き上げただけなのに…」 震える肩。 いつもあんな強気な彼がただ恐れている。 「…爆…発し…て…」 握った拳から血が出るんじゃないかと心配になる。 「怖かった…?」 その手をとり手を開かせてかなめは自分の手を重ねてやる。 「怖…かっ…た…また…君…を…失ったかと…」 今にも泣きそうな顔で大事そうに重ねられたかなめの手を握る。 続く PR |
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