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「うぅ…びしょ濡れだ…」
洞窟の入り口で一度荷物を下ろしきちんと整理しながら風間は情けない声を出した。 「女子は濡れなかったかなぁ?」 奥からは暖かい焚き火の光がゆらゆらと揺れている。 「焚き火か~皆無事みたいだね」 「つか寒ぃよな~早く俺もたき火に当たりてぇ」 風間と小野Dは安心したように笑った。 「そうだな。罠はないようだ。」 「そりゃそうでしょ」 「風間油断はいけない。」 「ほら相良くん、千鳥さん待ってるよ」 はいはいと苦笑し、放っておくといつまでも相良軍曹(自称)による戦場の悲惨さを延々と講義されるので、風間は早々に伝家の宝刀、鶴の一声、千鳥の名を出したのだった。 「む」 効果覿面。不可視の耳としっぽを振りたき火の方へと足を早めていった。 奥に着くとどうやら女子達は待ちくたびれたようで固まって寄り添いすやすやと寝ていた。 「まったく…無防備にも程があるぞ」 とりあえず一通り調べてみて、ただ寝ているだけだとわかると、宗介達は荷物を置き、着替える事にした。 「相良君て本当に年齢にそぐわない体つきしてるよね」 「そうか?」 羨ましいよと風間は笑った。 「お。おにぎり発見!焼いて食おうぜ!」 「小さいお鍋に味噌汁入ってるよ~作って待っててくれたんだね」 いそいそと食事にありつこうとする二人に宗介は咎めるような口調で制止した。 「勝手に食ってはいかん!」 「じゃ相良はいらねぇの?」 空腹でお預けなどまっぴらだと言わんばかりの小野Dに宗介はため息をついた。 「そうではなくてだな。作って待っていてくれたのならこちらも起きるのを待つべきだろう」 確かにそれは正論なので二人は顔を合わせため息をついた。 どうやらこの忠実な番犬は飼い主が起きるまで食事をするのを断固阻止するらしい。 二人ではこの番犬に勝てる見込みは無いのでとりあえず焚き火にあたり体を暖めることにした。 「なんかさ…こう見ると皆本当に可愛いよね」 「おー!本当にうちの学校レベル高かったんだよな」 風間と小野Dがちらちらと女子の方を見ながら笑った。 「なんの話だ」 「女子の可愛さレベルだよ~本当に相良くんそう言う話疎いよね」 「まぁいつも千鳥の側にいるとほかが霞むんじゃねぇの~?」 「?千鳥がどうかしたのか?」 にやにやしている二人に全く話が読めない宗介。 三人は持参していた飲み物を飲みながらたわいもない話を始めた。 続く PR |
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