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「アイナちゃん!頑張って~!」
「負けるんじゃないわよ藍奈~!!」 テッサとかなめは手を振りながら藍奈に声援を送った。 藍奈も嬉しそうに手を振り返している。 かなめの隣では宗介が硬直しているのではないかと思うほど固まったままカメラを回している。 そう。今日は待ちに待った藍奈の幼稚園の運動会だった。 「お父さん!見て下さい!」 テッサが興奮気味で隣の男性に話しかけている。 「やはり子供というのは可愛らしいものですな。」 眩しそうに目を細めて藍奈を見ているのはマデューカスだ。 テッサは表向きにはマデューカスの娘なのでその言葉は不思議な返し方に聞こえた。 「もー!父親が娘に敬語なんて可笑しいです!マデューカスさん!私のことは外では娘として扱ってくれないと!」 「そうだったな」 膨れっ面のテッサを見て苦笑し、頭を撫でた。 気恥ずかしいがマデューカスは少し嬉しかったりもする。 厄介だった軍曹から少佐になったサガラはミズ・チドリと結婚し、娘を持った父親となったし、これでテッサの身の安全は守られたと一人ずれた結論に達していた。 「凄いです!一等ですよ!」 「さっすがあたしの娘!」 「なかなかの走りだったな」 気がつけば藍奈の出番が終わっていた。 藍奈は嬉しそうに走って戻ってきた。 「ぱぱっ!ままっ!いっとぉだったよ!」 「見ていたぞ。よくやったな」 「凄かったわね!」 「えへへ~」 カメラを止めて藍奈をハグしている宗介と頭を撫でるかなめの間で満面の笑みを浮かべる藍奈。 マデューカスとテッサに気がつくと嬉しそうに寄ってきてテッサに敬礼した。 「たいさどの!みてくれましたか!!」 満面の笑み。 テッサは少しがっかりしながら頭を撫で藍奈を褒めている。 「いつになったらテッサちゃんと呼んでくれるかしら…」 「少佐の所為でしょうな…」 「ぅう…」 「おじいちゃんもみてくれた??」 テッサに撫でられてご機嫌な藍奈は期待した目でマデューカスを見た。 「あ…あぁ。凄いな藍奈。」 ぎこちなく笑いながらマデューカスも藍奈の頭を撫でてやった。 嬉しそうに笑いながら藍奈は宗介の所に戻っていった。 「ぱぱっ!おじいちゃんとたいさどのがほめてくれたょ!」 「そうか。光栄なことだな。」なんとなく暖かい気持ちになれたマデューカスだったが 「マデューカスさんばっかりずるい!」 というテッサの言葉にこっそりため息をついたのだった。 PR |
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