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「なんだと?」
みるみるうちに宗介の顔が曇っていく。 (これはまずいかも…?) かなめの笑顔が引きつる。 「いや…まぁ…担当の子が急に具合悪くなっちゃったみたいで…」 「だからと言って君が変わる必要は無かろう」 珍しく宗介は頑として譲らない気配だ。 かなめも申し訳無さそうに頭を掻いている。 「それが…他に変われる子いないのよね…」 「だが今日は…」 なおも言い募ろうとする宗介にとうとうかなめが限界に達した。 「あーもぅ!!あんたね!いつもいつもあたしがどんな思いしてると思ってんのよ!え?!なんであたしばっかり言われなきゃいけないのよ!あったまくるわね!しょうがないでしょ!仕事なのよ!もう勝手にしなさい!」 どすどすどす!バタン!! 玄関に置いてある仕事道具を持ち勢い良くドアを閉めて出て行ってしまった。 「…」 一人残された宗介は手入れをしていた愛用銃を机に置きため息を付いた。 確かに自分はいつもミスリルの仕事を優先させて来た。 だがそれは宗介にしか出来ない仕事だからこそなのだが、やってる事は確かに彼女の言う通りだと宗介は思った。 「俺は…こんなに欲深かったのだろうか」 いつからか自分が東京に居る時はずっと傍にいて欲しいと思っていた。 仕事の時は早く彼女の元に帰るのだと必死になっていた。 ダナンにいても戦地にいてもかなめの事を第一に考えてきた。 その様子を見てつい先日同僚に苦言を受けたばかりだった。 「お前さぁ…かなめをあんま束縛するなよ?そういう男は嫌われるぜ~」 はぁ… ため息をもう一度ついた。 (だが今日は俺にとって大事な日だったんだ。) ブーッブーッ 携帯が鳴った。 着信相手はその同僚だった。 「相良だ。」 『ソースケか!ちょっと拙いことになった!急いで第2に帰還してくれ!』 「…了解した。」 『今向かってる。時間無いから道すがら作戦を伝える。』 「…了解した。」 『…ソースケ…お前…なんかあった?』 「…問題ない…。」 それだけ言うと宗介は通話を終了し、支度を始めた。 今は心が落ち着かなかった。 家に居たくない。 何となくそう思っていたのに彼女を怒らせたまま仕事に行かなければいけないのがなんだか苦しかった。 5分ほどで軽くクラクションが鳴った。 クルツの合図だ。 宗介は三度目のため息をつくと荷物を持って家を出ていった。 2へ続く また続きものですよ(;´д`)アセアセ PR |
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