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ザザー
テレビがいつの間にか砂嵐になっている。 ぼんやりと電気もつけずにかなめは眺めていた。 時間は深夜2時 いつもなら寝ている時間だ。 明日も仕事だ寝なきゃ。 頭の中で文字だけが回る。 宗介からはまだ連絡がない。 あれから何度も宗介の携帯にコールしたのに通じない。 折り返しも来ない。 鳴らない携帯を震える手で必死に抱きながらかなめは待った。 第二ミスリルの中は慌ただしかった。 医務室で寝ている宗介は起きあがる気配がなかった。 目はあいているがどこか遠くを見ている。 彼は目を覚ました時近付いた人にこう言った。 「カリーニン少佐はどこだ」 「記憶障害?」 部下の素っ頓狂な声を聞いて、目の前の可愛らしいアッシュブロンドの少女テッサはかなり困ったように頷いた。 「ええ。多分爆発を間近に受け脳に何らかの障害が出ているようです。」 「つっても少佐の事やミスリルの事は解るんだろ?」 なら問題ないじゃねぇかとクルツがコーヒーを啜った。 「問題はそこなんです。」 眉を潜め瞳を曇らせるテッサ。 「そこ?」 「相良さんは大事な時間だけ忘れています」 「大事な時間だけ?」 「そうです。一番愛してるあの人との日々を」 「そりゃ…まさか!?」 クルツも流石に顔色を変えた。 テッサは悲しみと切なさで瞳を染めただ一言を呟くように吐き出した。 「相良さんは…かなめさんを覚えていません…」 白い天井を見上げながら宗介は先ほどの兵の言葉を思い出していた。 「よう相良!危なかったんだってな?あんま無茶するなよ~カナメが悲しむぜ」 カナメとは誰のことだ そう言ったら大層驚かれ何度も確認された。 「チドリ・カナメだよ!コードネーム・エンジェルだ!お前の未来の妻だろうが!頭オカシくなったのか?」 チドリ?カナメ? 誰だ?俺には妻などいない。作る気もない。 だいたい俺たちはミスリルに雇われた傭兵だ。 危険な任務ばかりだというのにそんなものに現を抜かす暇などない。 いつものように答えたはずだ。 俺は間違っていない。 なのに何故か胸が苦しくなった。 頭がズキズキするこれは何だろう… 「お前…まさか記憶が…」 そいつは顔色を変えて飛び出していった。 なんだか無償に体がだるかった。 本部にいるのだ少し寝ようと宗介は眠りに落ちた。 続く PR |
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