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「だいたい相良くん、好きなタイプとかあるの?」
だいたい思春期時に一度は上る話題だ。 「タイプ?」 案の定よく解らないといった風に宗介は首を傾げる。 「こういう人とずっと一緒にいたいな~って思う理想像みたいなものないの?」 「理想像…」 「例えば、料理がうまいとか、優しいとか…いろいろあるだろ~?」 むーん…と考えてしまった宗介に風間と小野Dは笑いながら深く考えるなとせっつく。 「そうだな…体調管理ができ、あらゆる装備を使いこなし、地理や地形などに詳しく…また」「ストップストップ!そう言うのじゃなくて!」 「何故だ風間。重要なことだぞ。」 「あのなぁ相良…そういうタイプじゃなくて好きな女の話だよ」 なんでこう話が通じないんだと半分げっそりしながら風間と小野Dはため息をついた。 「好きな女…」 「いないとは言わせねぇぞ~」 「そうそう」 さっきよりも真剣な目で二人に前のめりになりながらさぁ吐けと詰め寄られ 宗介はなんとなく逃げたくなったが、こういう話は女子がやたら話しているのを思い出し、これが世間一般の若者の会話なのだろうと納得することにした。 「そう…だな…」 宗介は元々あまり女性とは関わりがないので タイプはかなり偏るが芯の強い女性が多いように思う。 そしてよく笑い、明るく、皆優しいように思う。 そして自分はそれに救われている気がするのだ。 その中でも千鳥といるときが自分にとって一番安らぎを覚える。 「相良?」 遠くを見たまま何も言わなくなった宗介に 頭パンクしちゃったかな?と心配になった風間が声をかけた。 すると宗介は真っ直ぐ風間を見ながら話し出した。 「千鳥といると安心する。」 「…へ?」 それはタイプと違うんじゃぁ… ぽかんと間抜けな顔になる風間を宗介は気にしない。 「千鳥といる時間が俺は一番大切にしている。彼女は大切で特別なんだ」 小野Dがうーんと首をひねった。 「つまり千鳥タイプがいいってことか~?」 小野Dの言葉に宗介は首を振り続けた。 「いや…千鳥でなくてはだめだ。千鳥と離れると彼女に何かあったらと気が気でなくなる。」 「それってつまり…タイプどうこうではなくって…て事かな?」 「相良…卒業式のあれをみてりゃわかるけどよ…そうじゃなくてだな~」 「やっぱり相良くんはかなちゃんが大大大好きって事だね☆」戸惑う男二人の後ろから満足そうなかわいらしい声が聞こえた。 続く PR |
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「うぅ…びしょ濡れだ…」
洞窟の入り口で一度荷物を下ろしきちんと整理しながら風間は情けない声を出した。 「女子は濡れなかったかなぁ?」 奥からは暖かい焚き火の光がゆらゆらと揺れている。 「焚き火か~皆無事みたいだね」 「つか寒ぃよな~早く俺もたき火に当たりてぇ」 風間と小野Dは安心したように笑った。 「そうだな。罠はないようだ。」 「そりゃそうでしょ」 「風間油断はいけない。」 「ほら相良くん、千鳥さん待ってるよ」 はいはいと苦笑し、放っておくといつまでも相良軍曹(自称)による戦場の悲惨さを延々と講義されるので、風間は早々に伝家の宝刀、鶴の一声、千鳥の名を出したのだった。 「む」 効果覿面。不可視の耳としっぽを振りたき火の方へと足を早めていった。 奥に着くとどうやら女子達は待ちくたびれたようで固まって寄り添いすやすやと寝ていた。 「まったく…無防備にも程があるぞ」 とりあえず一通り調べてみて、ただ寝ているだけだとわかると、宗介達は荷物を置き、着替える事にした。 「相良君て本当に年齢にそぐわない体つきしてるよね」 「そうか?」 羨ましいよと風間は笑った。 「お。おにぎり発見!焼いて食おうぜ!」 「小さいお鍋に味噌汁入ってるよ~作って待っててくれたんだね」 いそいそと食事にありつこうとする二人に宗介は咎めるような口調で制止した。 「勝手に食ってはいかん!」 「じゃ相良はいらねぇの?」 空腹でお預けなどまっぴらだと言わんばかりの小野Dに宗介はため息をついた。 「そうではなくてだな。作って待っていてくれたのならこちらも起きるのを待つべきだろう」 確かにそれは正論なので二人は顔を合わせため息をついた。 どうやらこの忠実な番犬は飼い主が起きるまで食事をするのを断固阻止するらしい。 二人ではこの番犬に勝てる見込みは無いのでとりあえず焚き火にあたり体を暖めることにした。 「なんかさ…こう見ると皆本当に可愛いよね」 「おー!本当にうちの学校レベル高かったんだよな」 風間と小野Dがちらちらと女子の方を見ながら笑った。 「なんの話だ」 「女子の可愛さレベルだよ~本当に相良くんそう言う話疎いよね」 「まぁいつも千鳥の側にいるとほかが霞むんじゃねぇの~?」 「?千鳥がどうかしたのか?」 にやにやしている二人に全く話が読めない宗介。 三人は持参していた飲み物を飲みながらたわいもない話を始めた。 続く |
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「何でこうなるのよおぉ!」
小さな洞窟内に響きわたるかなめの嘆き。 「しょうがないよかなちゃん。山の天気は変わりやすいんだから」 びしょ濡れでいつもより垂れ下がってしまったおさげを解きながら恭子は苦笑した。 かなめはがっくりと肩を落とし深いため息をついた。 山間部に出かける時点で「今日明日は晴れるでしょう」なんて言っていた天気予報など、あてにならないと解ってはいたのだが、なんだかおもちゃを取り上げられたみたいで面白くない。 バッグからタオルを取り出しながらお蓮は心配そうに「男の子達は大丈夫でしょうか」と呟いたが 「大丈夫じゃない?特に相良なんか雷に当たったって死にゃしないわよ」とけらけらと笑う瑞希の言葉に、それもそうかと女子組は荷物から新しく出した服に着替え始めた。 夏休みに入り、せっかくだからキャンプに行こうと恭子が計画し、昔のいつものメンツで集まった。 丁度皆休みを取れたので、懐かしくバカをやりたくなったのだ。 何だかんだとテントを張り、居住地区が完成すると 夕飯用の魚を男子が釣りに行った。 30分ほどすると静かだった空は急に荒れ始めすぐに嵐になってしまった。 あまりの風の強さにテントに居るのは危険と判断し 近くに見つけてあった横穴の洞窟に女子は荷物ごと逃げ込んだわけだが… 「あいつら帰ってこないわね…」 髪を拭きながら入り口に目を向ける女子達。 「遅いねぇ…三人とも…」 釣りに出掛けた宗介・風間・小野Dがなかなか帰ってこないのだ。 あまり遠くに行ってないはずなのだが… 「とりあえず体冷えちゃうから焚き火でもしてよ」 入り口付近に丁度良い窪みがありそこに適当に濡れていない薪を入れる。 「お握り焼いちゃおうか~」 「いいね~」 だんだん暖かくなり、安心してきたのか なんだかんだと女の子達はこの状況を楽しんでいるようだった。 一方男子は… 「風間!どうだ?」 「相良君!女子が居ないよ~」 急に降り出した雨に荷物を抱えテントに戻ったはずが、 女子の姿はなく、それどころかテントも半壊している。 「相良!荷物は残ってねえぞ」 素早く確認する小野D 「洞窟に避難したのかもしれんな。いくぞ」 「テントどうすんだ?」 「捨てていく。今は一刻も早く合流すべきだ。」 「怒られないかな~」 「後で天気良くなったら見に来ようぜ」 悪い視界の中びしょ濡れの三人は釣り道具を背負い洞窟に向かった。 続く |
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「大量大量~」
かなめは両手にかかる袋いっぱいに食べ物を幸せそうに見た。 「さすがそーすけ!やるじゃない!」 「俺はプロフェッショナルだからな。」 少し自慢げにいう宗介の右腕にはぼん太くん特大ぬいぐるみが。左腕には袋にたくさんのお菓子が詰まっていた。 「射的のおじさんびっくりしてたわね~まさか本当に5発全部当たるなんて」 「元々照準をずらしてあるからな。一般人なら気がつかんだろう」 「は~楽しかった」 「千鳥」 家に帰ったら冷たい麦茶でもだしてこの大量の食料をゆっくり堪能するかなと 一人考えてたかなめはふいに立ち止まった宗介に振り返った。 「なにー?」 「その…これを」 「ん?」 「りんご飴の店主が言っていた。逃げられる前に確実にしとめろと」 かなめはりんご飴を買ってこいと宗介に行かせたがなかなか帰ってこなかったことを思い出した。 たが宗介がなにを言いたいのかわからずぽかんとしている。 「は?」 「いや…だから…君にこれを」 汗をダラダラかきながら宗介はかなめの髪に小さな蝶々の簪をさした。 「へ?」 「君に…似ていた。」 「あ…ありがと」 「う…うむ」 なんとなく恥ずかしくてお互い見れず。 そのままマンションまで来てしまう。 「千鳥…では…」 「そーすけ。麦茶でもだしてあげる。これ一緒に食べよ」 帰ろうとする宗介に少し照れながら手に持った食料を見せる。 「ね」 上目遣いで言われ宗介は二つ返事で了承した。 夏のお祭りは まだまだ続く。 END 久々すぎて 軍曹とかなちゃんのキャラが変になったw しかもわけわからない感じにwww 次頑張ります(笑) |
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「夕方なのにまだ暑いか~」
マンションから一歩出れば室内とは一変して夏の日差しを全身に浴びる。 かなめは持っていた扇子でパタパタと扇いだ。 「これくらいならば問題ない」 後ろから少々不服気味の宗介がかなめの隣に来た。 「そりゃあんたの居たアフガンに比べればでしょ」 ため息をついたかなめは よっしゃ!いくわよ!と気合いを入れて歩き出した。 「目指すは全制覇よ!」 宗介は小さくため息をつきながらその後ろをついて行った。 「お~賑わってるわね~」 早速手に入れたかき氷を食べながら嬉しそうに周りを見渡す。 「千鳥。あれはなんだ」 宗介は子供で賑わっている一角を指した 「あれは型抜きよ。うまく型が抜けたら商品もらえるの」 「ほぅ。あれは?」 「あれは落書きせんべい。砂糖水で絵を書いて砂糖をかけて色を付けたりすんの」 「なるほど。」 「あ、おじさんたこ焼き8ツ入りちょうだい」 話しながら歩く二人。 かなめは気になる物は片っ端から食べていく。 「あいよ!お嬢ちゃんべっぴんだな!彼氏におまけで小さいのやるよ」 たこ焼き屋の粋な計らいにかなめはまんざらでもなさそうだ。 「ありがと!はいそーすけ。あんたにくれるって」 「店主。ありがたくいただく。」 にこにこと4ツ入りのたこ焼きを宗介に渡しながらかなめはカップルに見えるのかな…と宗介を見た。 「うまい。」 「そーね」 オマケしてもらえるに越したことはない。とあえて考えないようにしながら先に進む。 「あ!ぼん太くん特大ぬいぐるみ!」 「む。あれは?」 「射的よ射的!あんた得意でしょ!」 「しかし君が危ないからと全て置いてきてしまっ」 「当たり前でしょ!それに射的にはお店の銃をつかうの!おじさ~んぼん太くんちゃんと落ちるの~?」 「ここに当てればぼん太くん特大ぬいぐるみ差し上げちゃうよ~」 さすがに落ちないのだろう。当たらないという自信からかそんな事を言う店主。 「なるほど。店主、やるぞ」 宗介はお金を渡すと置いてある銃を取った。 「はいよ!玉は6発、がんばんな兄ちゃん!」 宗介は狙いながらとりあえず一発。 「あーはずれた~」 残念そうなかなめに次を準備しながら宗介は言った。 「千鳥。これは照準が合わせだ。問題ない。」 「じゃあ次は?」 「次だけじゃない残り全て確実に当たる」 続く |
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