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【2025/07/18 12:22 】 |
仰げば尊し3
「落ち着いた?」
「ん…」

しばらく泣いて宗介は静かになった。
それを見計らってするりと腕から抜ける。
「…」
少し寂しそうな顔で宗介がかなめをみた。

「なんて顔してるのよ~ほら…食べよ。」
まったくもう。とため息をつき、かなめは火を付けた。
のろのろとテーブルにつく宗介の前についでに簡単なサラダを作って並べる。

「はい。」
「あぁ…ありがとう」
「いただきま~す」
「いただきます。」
かなめは覚悟を決めて一口食べる。
すると
「本当だ…まずくはない…」
美味すぎる!訳ではないが普通に美味いレベルだ。
「少佐が作ってるのを思い出しながらやってみたのだが…」
「見た目はあれだけどね」
「むぅ…」
宗介が首を傾げている。
「やっぱり分量よ分量。」
かなめはそう結論付けて食事に集中した。
「そうだな…」
宗介もそれ以上は何も言わなかった。
カリーニンを想いながら宗介はボルシチを食べた。



後日

「まま~!」
「なに~?」
「ぱぱがね!あいなにはおじいちゃんが3にんいるっていうの」
「そうよ~パパにはパパが二人居るのよ」
「どうして~?」
「パパのパパはアンおじいちゃんなんだけどお星様になっちゃったの。そしたらマデューカスおじいちゃんがパパになってくれたのよ」
「よくわかんない」
「もうちょっと大きくなったらね」
「むぅ…」
「わぅっ!」
首を傾げている藍奈の横でぶんたが尻尾を振って返事をした。


いつかちゃんと
大きくなったら…


END


うわぁ
なんだこれ!
宗介ってカリーニンさんをなんて呼ぶんだろ?
パパじゃないし
ダディじゃないし
親父殿?
でも父さんって呼ばせたい☆
私の趣味です(笑)

カリーニンさん亡き後はマデューカスさんが養父になっています。
テッサの要望で(笑)
せめて親戚になりたいんですっ!
ていうわけです(笑)
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【2011/06/10 14:09 】 | フルメタ:宗かな:家族 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
仰げば尊し2
「あの頃あたし結構カリーニンさんといたんだよ」
「…」
思い出したのか彼の顔が曇る。
「あんな中にいてもカリーニンさんのそばだとちょっと安心しちゃった」
「…そうか」
「うん。だってあんたみたいだったから」
きゅっと抱きしめている腕に力を込める。
「あんたと一緒。口下手で無口で無表情でデリカシーなくて」
彼は自分に言われてるように聞こえてるのか汗がだらだらと流れている。
特に気にするわけでもなく宗介の胸にくっつきながらなお続けた。
「すぐ人に命令するし、ボルシチはまずいし、頑固だし」
「俺のボルシチはまずくはないぞ」
「それはあたしが教えたからでしょ」
「…」
彼はなんとか反論を試みたが失敗に終わりぐうの音も出なくなる。
「でもね」
あたしはそこで言葉を詰まらせた。
「でも…優しかったよ。守ってくれた。あんたと一緒。」
彼をしっかりみてあたしは言った
「そうか…だが」
まだ彼の顔は暗い。
「もーまだ不満なの?」
ポスンと胸にまた顔をくっつける。
「…少佐は俺にとって育ての親であり、傭兵として師であり指揮官でもあった。」
「うん」
「だが藍奈に…言えない」
「藍奈に聞かれたの?」
「あぁ…俺の大切な人だと答えた」
「それでいいじゃない」
なにか間違ってるの?と下から宗介を見た。
目の奥が揺れた…
何かに脅えてる目だ。
彼はゆっくりと小さく言葉を吐いた。
「…俺が…殺した…」
「そーすけ…」
何かが外れたように口から言葉が流れ出る。
「自分で殺しておきながら今更大切などと…俺は最低だ」
あたしから視線を外して彼は泣きそうな顔をしていた。

違うでしょ宗介
だからでしょ?
「大切な人だからでしょ」
「?」
「他の誰でもなく彼だから許せなかった。」
「あぁ…」
大切な人だから解って欲しかった
戦いたくなかった
でもそうしなければいけなかった。
あたしを助けるために…

「ねぇそーすけ。大切な人でいいんだよ。」
ずっと…考えないようにしてきたんだね
ずっと奥に仕舞ってきたんだね
気がつかなくてごめんね

「そーすけ…我慢しなくていいよ」
ビクッと宗介の身体が揺れた
耐えてきたんだ
あたしと藍奈の為に
「もういいんだよ」
ポタポタ…
気がつけば宗介の目から雫が落ちてた
「大切な…人だったんだ」
掠れてる声
「そーすけ」
撫でてやるとあたしは抱きすくめられた
「…ッ」
「そうだね」
「と…さん…」


続く
【2011/06/10 13:34 】 | フルメタ:宗かな:家族 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
仰げば尊し
「ぱぱ」
「どうした?」
愛娘が差し出したのは一枚の写真
まだ俺が…皆がダナンに居た頃の写真だった。
「このおじちゃんだあれ?」
藍奈が指を指したのは
「それ…は…」
白髪長身の男性…
「どおしてぱぱといっしょなの?」
無邪気に笑う藍奈に俺は…
「その人は…パパの…大切な人だ…」
そう言うのが精一杯だった。



[仰げば尊し]



「そーすけ?」
仕事から帰れば部屋には電気がついておらず
子供部屋には藍奈とぶんたがすやすやと心地良さそうに寝息を立てている。
だが宗介の姿はない。

キッチンには作りかけの料理。
テーブルには一枚の写真。

宗介は家の中にはいないようだった。

かなめはため息をつき、着替えるとベランダに出た。
ベランダには屋根に登る小さな階段がある。

普段は階段は藍奈が登ると危ないのでかかっていない。
それがかかってる…
と言うことは…

「そーすけ、降りてらっしゃい。」
「…かなめおかえり。」
声をかければぴょこりと宗介が顔を覗かせた。

「何してんのよ…」
「いや…大したことじゃない」
ひらりと階段を使わず降りる。
「料理作りかけで放置しておいて大したことじゃないじゃないわよ」
「…すまん」
部屋に戻った二人はキッチンの謎の料理の前に立つ。
「これ何…」
「…ボルシチだ」
「あんたね…これじゃまるでカリーニンさんのボルシチじゃないの…」
「肯定だ」
「…へ?」
「だが違う。彼のは…こんなに美味くなかった」
「これ…美味いの?」
「肯定だ。何故か解らんが美味かった」
半信半疑で暖め直すかなめ
宗介は少しずつ離れていく。
「そーすけ」
「なんだ」
「なんで離れてんの?」
「…」
「あんた…また変なこと考えてるでしょ」
「…」
「終わったの。そーすけ。」
「…あぁ」
「カリーニンさんの事まだ…」
「わからない。だが苦しい。」下を向いてつぶやく宗介。
かなめは火を止めて手招きした
「おいでそーすけ」
近いた宗介を抱き締める。
「ねぇ…お父さんは素敵な人だった?」
背中を撫でながらかなめが聞いた
「?中佐なら君はもうよく知ってるだろう」
宗介が首を傾げた。
「ちがうよ。カリーニンさん」
とたんに宗介の顔が曇る
「…彼は父では」
「お父さんだよ。そーすけの」
真っ直ぐ宗介を見ながらかなめは言う
「しかし」
「だってそっくりだもん。」
「なに?」
かなめはクスクスと笑った。


続く
【2011/06/10 00:05 】 | フルメタ:宗かな:家族 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
運動会
「アイナちゃん!頑張って~!」
「負けるんじゃないわよ藍奈~!!」
テッサとかなめは手を振りながら藍奈に声援を送った。
藍奈も嬉しそうに手を振り返している。
かなめの隣では宗介が硬直しているのではないかと思うほど固まったままカメラを回している。

そう。今日は待ちに待った藍奈の幼稚園の運動会だった。

「お父さん!見て下さい!」
テッサが興奮気味で隣の男性に話しかけている。
「やはり子供というのは可愛らしいものですな。」
眩しそうに目を細めて藍奈を見ているのはマデューカスだ。
テッサは表向きにはマデューカスの娘なのでその言葉は不思議な返し方に聞こえた。
「もー!父親が娘に敬語なんて可笑しいです!マデューカスさん!私のことは外では娘として扱ってくれないと!」
「そうだったな」
膨れっ面のテッサを見て苦笑し、頭を撫でた。
気恥ずかしいがマデューカスは少し嬉しかったりもする。
厄介だった軍曹から少佐になったサガラはミズ・チドリと結婚し、娘を持った父親となったし、これでテッサの身の安全は守られたと一人ずれた結論に達していた。
「凄いです!一等ですよ!」
「さっすがあたしの娘!」
「なかなかの走りだったな」
気がつけば藍奈の出番が終わっていた。
藍奈は嬉しそうに走って戻ってきた。
「ぱぱっ!ままっ!いっとぉだったよ!」
「見ていたぞ。よくやったな」
「凄かったわね!」
「えへへ~」
カメラを止めて藍奈をハグしている宗介と頭を撫でるかなめの間で満面の笑みを浮かべる藍奈。
マデューカスとテッサに気がつくと嬉しそうに寄ってきてテッサに敬礼した。
「たいさどの!みてくれましたか!!」
満面の笑み。
テッサは少しがっかりしながら頭を撫で藍奈を褒めている。
「いつになったらテッサちゃんと呼んでくれるかしら…」
「少佐の所為でしょうな…」
「ぅう…」
「おじいちゃんもみてくれた??」
テッサに撫でられてご機嫌な藍奈は期待した目でマデューカスを見た。
「あ…あぁ。凄いな藍奈。」
ぎこちなく笑いながらマデューカスも藍奈の頭を撫でてやった。
嬉しそうに笑いながら藍奈は宗介の所に戻っていった。
「ぱぱっ!おじいちゃんとたいさどのがほめてくれたょ!」
「そうか。光栄なことだな。」なんとなく暖かい気持ちになれたマデューカスだったが
「マデューカスさんばっかりずるい!」
というテッサの言葉にこっそりため息をついたのだった。
【2011/06/02 01:28 】 | フルメタ:宗かな:家族 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
七夕
「きらきらひかりゅ~おしょらのほしよ~」

藍奈の可愛い声と笹が揺れる音がする。
風邪が吹く度心地良い涼しさと窓に下がった風鈴が音を奏でた。

「藍奈~お願い事何にするの?」
「んとね~」
「わふっわふっ」
「はいはい…ぶんた。遊んであげるからちょっと待ってて~」
リビングでは二人と一匹が楽しそうだ。

二人はきゃぁきゃぁと騒ぎながら願い事を短冊に書き、笹につるした。

同日同時間帯
東京某第二ミスリル本社付近

「お願い事…」
「どうした宗介~?」

助手席で腕を組みながらぶつぶつ言っている宗介にクルツは運転しながら話しかけた。

「いや。今年もかなめに渡されたのだが何を書こうかと悩んでいる。」
「七夕の短冊か~懐かしいな~。別に叶う訳じゃないんだから何でもいいんじゃねの?」
「書きたいことがありすぎて…」
「珍しいなお前にしては」
「だが叶ってもらわねば困るものばかりだ。」
「じゃぁ一番を選べよ」

暫く目を閉じて宗介がなにやら考えている。
缶コーヒーを飲みながらクルツは鼻歌を歌っている。

「…世界平和」

ぽつりと呟いた宗介の言葉に危うくコーヒーを吹きそうになった。

「スケールでかいな!?おい!」
「まとめるとこうなった。」

なんとなく彼が考えていた事を理解したクルツは良いパパになったもんだと笑った。

「成る程ね…お。そろそろ自宅付近だろ」
「そうだな。クルツまた明日。」
「ほいよ!いつもの時間に迎えくっからな」
「了解した。」

時間はすでに24時を回って7月7日になった。
二人は寝ているだろうと静かに部屋に入る。

ぶんたが尻尾を振って出迎えた。
頭を撫でてやり、リビングへ入るとソファーに転がる二人の姿。

荷物を置きシャワーを済ませる。

二人をそれぞれベッドに運ぶと外で揺れている笹を見つけた。

「短冊をつけないとな。」

なんとなく呟いて窓を開ける。
ピンクと青の二枚の短冊が目に入った。


ぱぱがはやくかえってきますように あいな

宗介と藍奈、ぶんたが怪我や病気をしませんように かなめ

それを見た宗介はさっき書いた短冊にもう一言付け足してベッドへと向かった。


世界平和 かなめ、藍奈、ぶんたが幸せであるように。 宗介

END
*
ぶんたが最近萌え←
お母さんしてるかなちゃん好きです(*Pq′∀`*)
宗介だんだんパパになる感じかな☆
【2011/05/02 02:00 】 | フルメタ:宗かな:家族 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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