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「ったく!なんだって言うのよ!」
ずんずんと全身で怒りをまき散らしながらかなめは仕事先に向かっていた。 「自分だって急に居なくなるじゃない!あたしが一緒にいたくても…」 ピタとそこで気が付いた。 (そういえばそーすけがあんなに引かなかったのは始めてだったかもしれない…) 何でだろう…と思いつつかなめは仕事先に向かった。 「…」 「おいソースケ…大丈夫か?」 助手席で何度もため息を付く宗介に心配そうにクルツは声をかけた。 「…問題ない」 そうは見えねえけどな…と思いながら作戦内容を話し始めた。 「どうやらこの地区に侵入したテロ屋がいる。なにしろ今はアーバレストの試作中だからな。お偉いさんがピリピリしてる」 「そうか」 「そこでまず偵察、なんかあればM6で制圧ってとこだ」 そこで宗介は眉を潜めた。 「何故俺が呼ばれた?一応休暇中なんだが」 「最悪アーバレストを出すんだと。」 「バカな!まだ動かせる状態じゃあるまい!」 体ごとクルツを見て珍しく宗介ぎ語気を強めた。 「俺に言うなよ…なんかの時のために早いとこアーバレストを動かしたいんだろ。日本人はロボット大好きだからな。」 言われたクルツは呆れたように宗介を横目で見やる。 「アルはまだその段階にはない」 「だから…俺に言うなよ」 ったく…とため息を付いた。 東京の某地区に第二ミスリルは存在する。 生き残ったミスリルの兵や科学者達の一部はこの地区で暮らしている。 表向きは普通の会社だが、裏の顔は前と変わっていない。 兵達はもちろん兵として、科学者は科学者として仕事をしている。 他にも世界に何カ所かミスリルの地区がありそれぞれが同じように暮らしている。 第二ミスリルは西太平洋艦隊ダナンの面子が所属している。 何故日本にしたか…勿論テッサの鶴の一声なのは言うまでもない。 防音設備の整ったオフィスでは、地下で研究が行われ、地上階ではデスクフロアから訓練所まであるという。 はあ… 宗介は今日何度目か解らないため息を付いた。 「おら。着いたぜ。気合い入れろよソースケ!」 「了解した。」 車から降りあるという小さなビルの前に立つ2人。 「本当に…テロ屋いんのか?」 「わからんが確かめなければ仕事は終わらん。だいたい気合い入れろとお前が」 「へーへー。解ったよ。」 俺は突入苦手なんだよ。と文句を言いながら宗介の後ろをついて行く。 続く また続く☆ PR |
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「なんだと?」
みるみるうちに宗介の顔が曇っていく。 (これはまずいかも…?) かなめの笑顔が引きつる。 「いや…まぁ…担当の子が急に具合悪くなっちゃったみたいで…」 「だからと言って君が変わる必要は無かろう」 珍しく宗介は頑として譲らない気配だ。 かなめも申し訳無さそうに頭を掻いている。 「それが…他に変われる子いないのよね…」 「だが今日は…」 なおも言い募ろうとする宗介にとうとうかなめが限界に達した。 「あーもぅ!!あんたね!いつもいつもあたしがどんな思いしてると思ってんのよ!え?!なんであたしばっかり言われなきゃいけないのよ!あったまくるわね!しょうがないでしょ!仕事なのよ!もう勝手にしなさい!」 どすどすどす!バタン!! 玄関に置いてある仕事道具を持ち勢い良くドアを閉めて出て行ってしまった。 「…」 一人残された宗介は手入れをしていた愛用銃を机に置きため息を付いた。 確かに自分はいつもミスリルの仕事を優先させて来た。 だがそれは宗介にしか出来ない仕事だからこそなのだが、やってる事は確かに彼女の言う通りだと宗介は思った。 「俺は…こんなに欲深かったのだろうか」 いつからか自分が東京に居る時はずっと傍にいて欲しいと思っていた。 仕事の時は早く彼女の元に帰るのだと必死になっていた。 ダナンにいても戦地にいてもかなめの事を第一に考えてきた。 その様子を見てつい先日同僚に苦言を受けたばかりだった。 「お前さぁ…かなめをあんま束縛するなよ?そういう男は嫌われるぜ~」 はぁ… ため息をもう一度ついた。 (だが今日は俺にとって大事な日だったんだ。) ブーッブーッ 携帯が鳴った。 着信相手はその同僚だった。 「相良だ。」 『ソースケか!ちょっと拙いことになった!急いで第2に帰還してくれ!』 「…了解した。」 『今向かってる。時間無いから道すがら作戦を伝える。』 「…了解した。」 『…ソースケ…お前…なんかあった?』 「…問題ない…。」 それだけ言うと宗介は通話を終了し、支度を始めた。 今は心が落ち着かなかった。 家に居たくない。 何となくそう思っていたのに彼女を怒らせたまま仕事に行かなければいけないのがなんだか苦しかった。 5分ほどで軽くクラクションが鳴った。 クルツの合図だ。 宗介は三度目のため息をつくと荷物を持って家を出ていった。 2へ続く また続きものですよ(;´д`)アセアセ |
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「違う!資格とか…そういうんじゃない!あたしは!」
「千鳥?」 「あたしは…ただ…恥ずかしかっただけ…」 消えそうな声で千鳥が呟く。 「嬉しかった。でも皆が見てる前でそんな大事な事言われたくなかった。」 ゆっくり立ち上がってかなめは宗介に近付く。 顔が上げられない。 (面倒な奴だって思われたかもしれない。 どうしよう…本当は嬉しかったのに…。) 涙が溢れてきた。 (あたし今日泣いてばっかり…) 目の前まで来てただ立ち尽くす。 宗介は恐る恐るかなめの体を抱き寄せた。 「かなめ」 「なによ」 「俺は君と一緒にいて良いのだろうか?その…護衛としてでは無く…その…」 「一度しか言わないんだからね。よく聞きなさいよ!」 「りょ…了解した!」 「ずっと…あたしの傍にいて…」 「か…なめ…」 「なによ!」 「それは…つまり…」 「一度しか言わないって言ったでしょ!!」 顔を真っ赤にしたかなめはバッと宗介から離れて叫んだ。 「し…しかし…」 「わかった!?」 顔を真っ赤にさせたかなめが叫ぶ。 「りょ…了解した!」 嫌われてなかったのだと宗介は気付き、急いでこくこくと頷いた。。 「もう…本当に鈍感なんだから…」 それを見たかなめは満面の笑みを浮かべ 「次は許さないから!」 と言った。 「了解した!」 二人して教室に戻るとクラスメイトに根ほり葉ほり聞かれたがハリセンを構えたかなめを前に皆がしぶしぶ引き下がった。 恭子は後で教えてもらえるもんっとうきうきしていたが…。 『へー…ふぅーん。青春だねぇ~』 と言う声が携帯から聞こえるまで宗介がクルツの存在に忘れていたのは言うまでもない。 そして次にダナンに帰還した宗介はほぼ全員のクルーがその事を知っていて祝いだと称して嫉妬と妬みでどつき回されたのだった。 END 長っ(;´д`) 楽しかったですけどね(笑) 書いていったら長くなってしまいました(;´д`) かなちゃんツンデレよく似合うですね(*・`ω・)b |
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振り返るとドアの所に顔を真っ赤にしたかなめが仁王立ちしていた。
まずい…かなり怒っている… 全身から汗が噴き出しだらだらと滝のように流れる。 ずんずんと歩いてくるかなめに宗介は何も言えずただ立ち尽くしている。 『?』 宗介の声が聞こえなくなったが変わりになにか異様な緊張感が電話から漂う。 (なんなんだ?ちどりって言ってたよな?) 耳を澄ませ電話から聞こえる音を拾う。 「そーすけ。あんたさっき皆の前でなんて言おうとしたのよ」 下を向いたかなめの堅い声が聞こえる。 「それは…なんでもない。気にしないでくれ」 辛そうな宗介の声。 「いや。言わないと許さない」 ゆっくり一歩ずつ宗介に近づく。 「千鳥…」 後ろは柵。宗介は後ろには下がれない。 「だいたい…なんで解らないのよ!」 とうとう追い詰められ、胸ぐらを捕まれた。 「千鳥…」 「あんた女心ぐらい早く解るようになりなさいよ!」 ガクガクと揺さぶりながらかなめが叫ぶ。 「すまない…千鳥…」 「違うでしょ!!千鳥じゃ許さないって書いてあったでしょ!!」 声が…肩が震えてる。 「ちど…」 「そーすけのばか!!なんで2人っきりの時に言おうって思わないのよ!」 勢い良く顔を上げたかなめの目から涙が溢れた。 頬がほんのり桃色に染まり、拗ねて軽く突き出した唇は涙で濡れている。 縋るような目をしたかなめに宗介の中で何かが弾けた。 「かなめ!!」 全力でかなめを抱きしめる。 頬に手を当て腰を強く抱き唇を奪う。 昨日の夜の彼女が瞼の裏に鮮明に蘇る。 深く深く口付けて彼女の口内を堪能する。 出来ることならこのまま… 下腹部に熱が集まる。だめだ。 俺はまた彼女を傷付ける!! 「…そーすけ?」 いきなり抱き寄せられそのまま受け入れていたのに 宗介は急に止めてしまった。 「す…すまない…つい…」 かなめを壊れ物でも扱うようにゆっくり座らせると顔を背けて苦しそうに呟く。 「俺にはそんな資格などなかったのに…」 今にも壊れてしまいそうな宗介の姿にかなめは胸を突かれた。 違うのに…そうじゃないのに恥ずかしくてちゃんと伝えられない。 「そーすけ…」 「俺はまた君を傷付けた…」 屋上の建物に寄りかかり泣きそうな顔で宗介は呟いた。 もう見てられなかった。 *またまた続く 終わらない(;´д`)もう少しお付き合い下さい。 |
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暫くだらだらと汗をかきながら下を向いて硬直していたが、意を決し顔をあげた。 「かなめ!」 おぉおおぉおおぉ!!!(皆の心の声) 「俺と!」 俺と!?(皆の略) 見守っているその場の全員が手に汗を握り前に身を乗り出した。 誰かが唾を飲む音がする。 「俺と!!」 「そこまで!」 かなめが下を向いて叫ぶ。 「し…しかし…」 「もういーの」 下を向いたままかなめは呟いた。 「ちど…かなめ…」 嫌われたと思った宗介は俯いてしまう。 かなめは調子に乗ってしまったことを少し後悔していた。 周りが自分達を見守っている事に気が付いたからだ。 恥ずかしさから宗介の言葉を遮ってしまった。 自分から望んだ言葉なのに… 「そうか…俺には…その資格はないのか…」 不意に悲しい声が降った。 「そーすけ?」 慌てて顔を上げれば彼はすでに教室から出て行くところだった。 「ちょ…そーすけ!」 「…すまない千鳥。俺は…勘違いしていたようだ。少し頭を冷やしてくる…」 そのままフラフラと歩いて行ってしまった。 (どうしよう…そうだった…そーすけには乙女の恥じらいとか解らないんだった… 完全に誤解してる。でも今追いかけたらあたしの方が求めてるみたいだし…) かなめは頭の中でぐるぐると迷っているようだ。 「かなちゃん!追いかけて!!」 「へ?」 「そうよ千鳥さん!!」 「可哀想だよ!」 「相良に恥じらいってのわかんねぇの位千鳥ならわかってんだろ!」 「え?ちょっと?皆??」 『いいから!行く!!』 見守っていた全員から口々に追い出されかなめは宗介の後を追った。 その頃宗介は屋上にいた。 こんな時は他に誰にも相談できずダナンのクルツに連絡をしてしまう。 「クルツ…俺は勘違いしていたみたいだ」 『は?何言ってんだ?お前…』 「いや。何でもない。何か仕事は無いだろうか…」 『んー今ん所お前が出るような事にはなってないぜ。』 「そうか…」 『なんだよ。珍しいなお前がかなめから離れたがるなんて』 「違う。離れたいのではない…離れなければ…いけないんだ…」 『は?』 「俺が居ると彼女を傷付けてしまう…」 『…おい…今度は何やったんだお前…』 「それは…」 バタン!! 「そーすけ!!」 「ち…千鳥?!」 *またまた続く あぁ…また収まらなかった…(笑) 書きたいことアリスギナンデスヨ← |
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